「ロッテ２－３ソフトバンク」（２７日、ＱＶＣマリンフィールド）

　逆転でのリーグ３連覇へ何とか望みをつないだ。２位のソフトバンクは２－０の八回に先発の千賀が連続押し出し四球を与えたが、直後の九回１死一、三塁で福田秀平外野手がスクイズを決め、決勝点をもぎ取った。首位の日本ハムが敗れ、福田は「ベンチは絶対に勝とうという雰囲気だった。（バントが）前に転がってくれて良かった」と安堵（あんど）の表情を浮かべた。

　最後は全員でつかんだ得点だった。先頭の江川が死球を受け、代走で出た俊足の城所が初球に盗塁。細川が犠打で三塁に進め、川島が死球で出塁後、１ボール１ストライクでスクイズのサインが出た福田は「絶対に失敗できない状況」と高めの球をうまく一塁前へ転がし、無安打で１点を奪う執念を見せた。

　千賀は序盤から切れのあるフォークボール、スライダーを効果的に織り交ぜ、七回までは２安打に封じて三塁を踏ませないプロ初完封を狙える内容だった。八回に２死一塁から乱れ「走者が出てから力が入ってしまった」と反省し「勝って良かった」と繰り返した。工藤監督は「厳しい試合を選手たちがものにしてくれた」と勝負強かったナインをたたえた。残り３試合。後がない状況に変わりはないが、王者は最後まで諦めずに戦う。