履正社が初優勝 ドラフト1位候補の寺島2回0封締め「履正社に来て良かった」
「岩手国体決勝、履正社14-6広島新庄」(5日、岩手県営球場)
履正社が4点ビハインドをひっくり返し、逆転で初優勝を果たした。八回からリリーフ登板したドラフト1位候補の寺島成輝投手(3年)は2回1安打無失点、2奪三振で有終の美を飾った。初優勝を目指した広島新庄は前日、ダブルヘッダーに登板したエース・堀瑞輝投手(3年)が登板回避。履正社打線を止められなかった。
マウンドの寺島が両手を突き上げた。高校生活最後の大会で手にした日本一のタイトル-。「自分たちが歴史を変えよう」と仲間で誓い合い、臨んだ2016年シーズンで同校に初の“全国優勝”をもたらした。
七回裏に2死から代打で登場。高校生活最後の打席は捕ゴロに終わったが、マウンドに上がると圧巻の投球だった。先頭に右中間三塁打を浴び無死三塁のピンチを招いたが「ゼロにこだわって」と後続を打ち取り、生還を許さなかった。
最終回は3人で試合を締めた寺島。「本当に履正社に来て良かったと思います」と頬を緩ませた。中学3年時、進学先を迷った。岡田龍生監督(56)は「誘いに行って、一度は断られたんです」と当時を振り返る。最終的に履正社へ決め、1年夏から公式戦に登板。そしてドラフト1位確実と言われるまでに成長した。
ウイニングボールは「自分が持っててもしょうがないので」と恩師にプレゼント。高校生活最後のタイトルを自信に変え、寺島は運命の日を待つ。