由伸巨人“G”エンド 激闘及ばず…「私の力不足を痛感した」
「セCSファーストS・第3戦、巨人3-4DeNA」(10日、東京ドーム)
死力を尽くした。延長十一回の激闘の末、無念の終戦。ミーティングを終えた巨人・高橋監督は「お互い総力戦の中、精いっぱい戦った。その中で、私の力不足を痛感した」と、静かに敗戦の弁を述べた。
死闘の結末は残酷だった。同点の十回、指揮官は「シーズンを戦ってきた投手」と、絶不調の守護神・沢村をマウンドに送り込んだ。だが、2イニング目に突入した十一回、先頭の倉本の強襲安打を右足に受け、緊急降板。後を継いだ田原誠が嶺井に決勝打を浴び、力尽きた。結果的に沢村は敗戦投手となってしまった。
CS開幕前は逆風にさらされた。練習や試合での緩慢な態度を問題視し、正二塁手のクルーズを2軍降格。エースの菅野は体調不良となり、ファーストSでの登板を回避した。
苦戦必至の状況で、指揮官は毎朝7時台に球場入り。試合後も首脳陣と1時間以上ミーティングを重ねた。「周りに何を言われても、悔いのないように」。日本一奪回へ執念をにじませたが、坂本の1番起用など短期決戦用の采配は勝利につながらなかった。
ペナントレースでは広島に17・5ゲーム差をつけられての2位。CSでは5年ぶりにファーストSでの敗退となった。監督1年目のシーズンについて「簡単に1年を振り返ることはできない」と語ったが、屈辱を晴らせぬまま幕を閉じた。