兵庫ブルーサンダーズ・山川、硬式4年目でドラフト候補
プロ野球ドラフト会議が20日に迫った。指名候補の実力、数ともに豊作とされる中、異色のドラフト候補がいる。BFL(関西独立リーグ)・兵庫ブルーサンダーズに所属する山川和大投手(21)は、高校卒業まで硬式ボールを握ったことがなかった最速152キロ右腕だ。
“本流”とは言えない道を、しっかりと歩んできた。兵庫ブルーサンダーズに所属する152キロ右腕の山川。「ドキドキしています」と高校野球の聖地・甲子園、大学野球の聖地・神宮を目指さなかった男が今、運命の日を待つ。
「今年は絶対に、プロへ行くと思ってやってきた」と力を込める右腕。高校時代は芦屋学園の軟式野球部に所属した。芦屋大でも軟式野球部に入る予定だったが、連携協定を結んでいる兵庫ブルーサンダーズの練習を見て「ここでやってみたい」と人生で初めて硬式ボールを握った。
本格的に投手へ転向した大学2年時に最速146キロを計測。プロの注目を浴びたが、大学生としての身分を優先するNPBの判断により指名は認められなかった。「2年前はダメかと思ってめっちゃ落ち込んだ」。しかし、そこからの2年で山川の野球人生は変わった。
かつて阪神でトレーニングコーチを務めた続木敏之氏と出会い、プロの厳しさ、現実を教わった。練習、トレーニングを見直し、直球の最速は今年、152キロまで上がった。
「あの時にプロへ行かなくて良かった」-。今はそう思えるようになった右腕。プロへ羽ばたく万全の準備を整え、指名を待つ。