同大が阪神・藤浪の同級生の好投で5年ぶりのリーグ制覇に王手 関西学生野球
「関西学生野球・第8節1回戦 同大2-1立命大」(21日、わかさスタジアム京都)
5年ぶりのリーグ制覇を目指す同大が、立命大との接戦を制し、優勝に王手をかけた。先発した平尾奎太投手(4年・大阪桐蔭)が七回途中1失点の好投で、チームに価値ある1勝を呼び込んだ。
立ち上がりから角度のあるストレートとキレのいいスライダーを織り交ぜ、4連覇を目指す立命大打線をほんろう。1点リードの七回1死二塁の場面で、大阪桐蔭の後輩に当たる福島孝輔投手(2年・大阪桐蔭)のリリーフを仰いだが、先発としての責任をしっかりと果たした。
「もう今は後遺症もなく、正常値になりました。動いても何の問題もないです」と投げられる喜びを噛みしめた平尾奎。大阪桐蔭2年時の9月に特定疾患のIgA腎症を患った。主治医と相談しながら春夏連覇を達成した高校3年の夏までは、体調と相談しながらベンチ入りし、歓喜の瞬間を味わった。
本来ならドクターストップがかかる状態だったが「自分が先生に無理を言って。どうしても後悔したくなかったので」。夏が終わると運動禁止の措置が取られた。その期間は同大進学後も続き、大学2年の冬までストレッチしかできなかった。
そこから復帰し、同大投手陣の柱として欠かせない存在へと完全復調。「監督さんの理解もありましたし、両親の支え、周りの人の支えがあって今があると思っているので」と大一番のマウンドでも冷静に左腕を振った。
22日に連勝すれば5年ぶりのリーグ制覇が決まる。ただ平尾奎にはもう一つ、別の目標がある。20日に行われたドラフト会議で高校時代の同級生である阪神・藤浪に続き、沢田(立大)もオリックスから8位指名を受けた。大阪桐蔭の同級生によるグループラインで祝福の言葉を贈った。
自身は社会人野球のホンダ鈴鹿へ入社する予定となっているが「2人を追ってプロに行きたいと思っています」と力を込めた平尾奎。身長188センチ、体重85キロの立派な体格を持つ左腕が、2人の同級生を追ってラストシーズンでの優勝、そして2年後にあるプロの門を目指していく。