早実・清宮、高校初の無安打も白星に笑顔
「秋季高校野球東京大会・準々決勝、早実8-4関東第一」(29日、ダイワハウススタジアム八王子)
早実が3季連続甲子園出場中だった関東第一を破り、準決勝進出を決めた。清宮幸太郎内野手(2年)は3打数無安打。公式戦31試合目(国体、高校日本代表は除く)で高校入学以来初のノーヒットに終わったものの、好守と2四死球で勝利に貢献した。30日の準決勝は国士舘と対戦する。
31試合目で初めて無安打に終わった悔しさを、勝利の喜びが上回った。「もちろんです。(連続試合安打は)分かっていたけど、いつか終わるだろうと思っていた。四死球で塁に出たからOKです」。清宮が声のトーンを上げて、大きな白星の価値を強調した。
初回1死一塁からは詰まった二ゴロ。五回先頭では見逃し三振を喫した。プロ注目右腕・高橋の内角直球にやられた。七回も左飛に倒れ、他の2打席は四球と死球だった。
それでも“顔”で貢献した。高橋が「清宮君を打ち取って、落ち着いてしまったところがあった」と悔やんだように、味方が11安打で相手投手陣を攻略。早実・和泉実監督(55)は「彼がいることの影響力はあるんだなと感じた」と、主砲の存在感を称えた。
七回には、フェンスに激突しながら一邪飛をもぎとった清宮。大きな衝撃音が響いたが「八王子はレギュラー(の試合会場)なので。柔らかいのは知っていた」と、ちゃめっ気まじりに振り返った。主将として体を張ってチームをけん引する。
無安打だけでなく、見逃し三振も公式戦初。その事実が、怪物ぶりを物語る。「甲子園に行くには倒さなきゃいけない相手」という春夏秋の東京大会30連勝中だった関東第一を撃破。3季ぶりの聖地を確実にするあと2勝は、自分のバットで決める。