楽天・星野仙一球団副会長（６９）は２日、西武・岸孝之投手（３１）のＦＡ権行使の表明を受け、同投手の獲得に動く意向を正式に明らかにした。今オフの補強の目玉である右腕には、４年１２億以上の大型契約を提示するものとみられ、交渉に直接出馬する星野副会長は「精一杯口説きます」と自信に満ちた口調で話した。

　午後１時半過ぎ、球団関係者から、岸のＦＡ権行使の一報を伝え聞くと、闘将は報道陣を前に獲得参戦の意思を表明。西武での１０年間で通算１０３勝を挙げた岸についてまず、「あれだけ安定して左右高低を守れる、最近では珍しい投手。うちは世界一、四球が多いから、いい見本になる」とその類いまれな制球力を絶賛した。

　そして、「もし来てくれたら、則本の一番の刺激になる。（現ヤンキースの田中）将大がいたときはあれだけ張り切れたのに、今は近づくやつがいない。これがいわゆる相乗効果」と星野副会長。ダブルエースの誕生を期待している。

　大型契約はもちろんのこと、西武で慣れ親しんだ背番号１１を、現在つけている塩見の了承が得られた場合には、用意する可能性もある。１１日の交渉解禁日に速攻アタックを仕掛ける方針の星野副会長は、「今は恋い焦がれる思いを楽しんで、一気にプロポーズするよ」と胸を高鳴らせた。