来年ドラ1候補、ヤマハ・鈴木博 153キロ3連発で球場沸かせる
「社会人野球日本選手権・2回戦、ヤマハ3-1NTT西日本」(5日、京セラドーム大阪)
来年のドラフト1位候補に挙がるヤマハ・鈴木博志投手(19)=磐田東=が、二大大会初先発で六回途中4安打1失点と好投。立ち上がりに153キロの直球を3球続けて球場を大きく沸かせた。
「もう緊張して心臓がバクバクでした」と鈴木博。周囲の声も耳に入ってこないほど、緊張は最大限に達していた。制球がままならず初回、二回と3四球を与えて満塁のピンチを招いた。それでも「最後は開き直ってホームさえ踏ませなければいい」と後続をしっかりと打ち取った。
四回以降は制球も安定し、しっかりとゲームをつくった右腕。驚くべきは直球のスピードで、力感のないフォームから最速153キロ、アベレージで150キロ前後をたたき出す。京セラドームは投球練習のボールもスピード表示されるが、そこでも150キロを計測。アマチュアでそんな投手は過去に見たことがない。
美甘監督は「(四球は)ある程度、予測してはいましたけど…。ここまでとは思わなかった。それでゼロに抑えるんですから、何とも言いようがない」と苦笑いを浮かべる。4安打を浴びたが、長打は1本も許さなかった。NTT西日本の各打者がバントに手こずるほどの球威は圧倒的だった。
磐田東からヤマハに入社し、来年がドラフト解禁年となる。「一歩ずつ、足もとを見て頑張っていきたい」と力を込めた鈴木博。背筋力はプロでもトップクラスの250キロを計測する。まだあどけなさが残る19歳の右腕から放たれるストレートは、確かな可能性を秘めている。