大谷、仰天侍1号 特大弾で点火「打った瞬間、よかった」

 「侍ジャパン強化試合、日本9-8オランダ」(12日、東京ドーム)

 野球日本代表「侍ジャパン」は12日、東京ドームでの強化試合第3戦のオランダ戦に臨み、日本ハム・大谷翔平投手(22)が代表初本塁打を放った。この日は「6番・DH」で先発出場。五回、先頭の打席で右中間席上段へ特大アーチを運んだ。試合はタイブレークとなった延長十回、1死満塁から大野奨太捕手(29)の右前打でサヨナラ勝ちした。

 国際大会でも飛距離は別次元だ。4点を追う五回。「6番・DH」で出場した大谷の2打席目だった。フルカウントからの6球目、ジャージェンスの内角直球を、力みのないスイングで振り抜くと、白球は高々と舞い上がり、右中間席最上段へ突き刺さった。

 大歓声に沸くスタンドとは対照的に、二刀流は表情一つ変えず、ゆっくりとダイヤモンドを回った。「打った瞬間、よかった。ここからひっくり返すきっかけになればいいと思って。うれしい」。一時逆転となる猛攻を呼び込む一撃を、珍しく喜びの言葉で表現した。

 野手として日増しに高まる存在感。今大会3番で初スタメン出場した前日に続き、2試合連続マルチ安打。打者として計10打数4安打、打率・4割と大暴れだ。延長十回には侍ジャパン入り後、初めてのタイブレークを経験。無死一、二塁から打席に入り、「最悪なゲッツーだけは打たないように」と進塁打を心がけた。結果は三ゴロで二、三塁と好機を広げ、大野のサヨナラ打につなげた。一発だけではない。状況に応じた打撃も常に考えている。

 野手大谷の打撃にヤクルトでプレー経験のある敵将のミューレン監督も驚きを隠せない。「22歳で素晴らしい才能の持ち主だ。体が大きくて足が速くてパワーもある」と絶賛。今年の球宴、ホームラン競争の映像を見たという同監督は「誰だこれはと思ったらオオタニだった」と驚いたという。

 大会前、「野球は世界的に見ればメジャーじゃない。野球の面白さを伝えたい」と語っていた大谷。その打棒をこの日スタンドに訪れた海外のファン、メジャースカウト陣に存分に見せつけた。無限の可能性を秘めた二刀流。これから国際舞台で、さらに輝きを放ってみせる。

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