中日ドラ1 明大・柳が5回無失点で4強へ導く

 「明治神宮野球大会大学の部・準々決勝、明大4-1関大」(13日、神宮球場)

 大学の部、高校の部の準々決勝各2試合が行われ、大学では明大が4強入りを決めた。中日にドラフト1位指名された柳裕也投手(4年・横浜)が、5回4安打無失点と貫禄の投球を披露した。高校では、福岡大大濠が完封勝ち。準決勝で早実と対戦することが決まった。

 ゼロで抑えるために、調子は関係ない。「1回負けたら終わり。とにかく点を与えないようにと思った」。一発勝負のトーナメント。エースの条件が、柳の投球には詰まっていた。

 直球が浮き、持ち味のカーブも引っかけた。すると、初回途中には、豊富な引き出しから“解答”を選んだ。「相手が合っていないと思ったので、カットを軸にしていこうと」。130キロ台中盤の落ちるカットボールを多投。四回2死満塁でも決め球に使い、空振り三振で切り抜けた。

 終わってみれば5回無失点、6奪三振。中日・中田スカウト部長は「本来の調子でなくとも、試合を作れるタフさ。われわれが一番評価したところ。絶対に自滅しない」と、目尻を下げた。

 今春の全日本大学選手権では、延長タイブレークで敗退。「あの負けが一番悔しかった」と振り返る。今大会が日本一へのラストチャンス。「ここまで明治に育ててもらった。日本一を残して卒業したい」。野村(現広島)を擁した11年以来5年ぶりの優勝を、エースの置き土産にする。

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