「明治神宮大会大学の部・決勝、明大５－２桜美林大」（１６日、神宮球場）

　明大が５年ぶり、大会最多６度目の優勝を果たした。ヤクルトにドラフト２位指名された星知弥投手（４年・宇都宮工）が、５回２安打無失点の好救援に、ダメ押しソロを放つ活躍。４回２失点だった先発の中日１位指名・柳裕也投手（４年・横浜）とのリレーで有終の美を飾った。桜美林大は先発したロッテ１位指名の佐々木千隼投手（４年・日野）が５回４失点。逆転負けで初出場初優勝を逃した。

　自慢の直球で空振り三振を奪うと、星が両手を力強く握った。歓喜の輪に、柳が飛び込む。力を合わせてつかんだ日本一。２人の目に涙があふれた。

　「絶対に柳を日本一にしてやろうという気持ちが強かった。それができたことが一番うれしい」。星が喜びをかみ締めた。２失点した柳の後を受け、五回から登板。最速１５２キロを計測した直球とツーシームがさえた。八回には「人生で初めて」というアーチを左中間席へ。貴重なソロで勝利を決定づけた。

　「みんなを引っ張っていく中で、自分の練習もやっている」。エースと主将を兼務する入学時からのライバルに、星は己を省みた。そこから生まれた今秋の飛躍。最後の試合で、盟友をカバーした。

　準決勝で大学初本塁打を放った柳は「一緒に優勝できてよかった。打撃面でもいいライバルかなと思います」と、泣き笑いの顔で相棒をたたえた。「プロに行っても切磋琢磨（せっさたくま）していきたい」と星。明大が誇る二枚看板は、最高の結末で紫紺のユニホームに別れを告げた。