日本ハム大谷 二刀流ベストナイン “大谷のための”制度改定初年度に快挙
プロ野球のセ、パ両リーグは25日、今季のベストナインを発表した。今季から投手と野手、または投手とDHの重複投票が認められるように規定が変更され、日本ハム・大谷翔平投手(22)が投手部門とDH部門でダブル選出。史上初の“二刀流”受賞となった。
史上初となる投手、指名打者部門ダブル選出。大谷は喜びと驚きの両面の表情を浮かべた。
選手会納会が行われた登別温泉で会見に応じた二刀流。「どちらも規定(投球回、打席)に届かず、選ばれると思っていなかったけど、優勝して評価してもらえたと思っています。素直にうれしく思います」と受賞の喜びを口にした。
投票規定改定初年度で2つの勲章を手にした。昨年までは複数ポジションでの重複投票は認められなかったが、二刀流で規格外の活躍を続ける姿に、プロ野球記者会は7月下旬に制度改定を本格検討。投手、野手に限っての重複投票を認めることを決めた。まさに、大谷のためのルール変更で、2部門の受賞。大谷も「まさかという気持ちです」と恐縮気味に話した。
二刀流としての存在感がダブル選出へつながったと言える。投手として10勝をマークしたが、140回と規定投球回に3イニング届かなかった。規定投球回未満の先発投手の受賞も史上初。それでも「前半は勝てなかったが、後半大事な試合でいいピッチングができた」と振り返るように、9月13日・オリックス戦では自己最速を上回る164キロをマークして勝利投手に。9月28日の西武戦では、1安打完封で胴上げ投手となるなど、節目の試合で存在感を示した。
打者としても規定に61打席足りなかったが、打率・322、22本塁打。規定に達した4番・中田に3本塁打差だった。7月3日のソフトバンク戦では「1番・投手」で決勝本塁打を放ち、逆転優勝へのうねりを作った。
華々しい活躍にも、大谷は現状に満足していない。「来季は投手としても打者としても今季以上の結果を残せるように。また、日本一を取るのが目標です」。投打で規定をクリアし、連覇へと導く。