巨人 大補強の”死角”は…? マギーの起用法に注目
巨人が今オフ、総額30億円超の大型補強を敢行した。FA宣言した陽岱鋼、山口俊、森福を“トリプル獲り”。さらに新守護神候補として最速164キロの豪腕・カミネロ、4番候補で元楽天のマギーも獲得した。3年ぶり覇権奪回へ弱点は埋まったのか。巨大戦力の“死角”に迫る。
投手陣は先発、リリーフともに層が増した。昨季38試合の逆転負けはリーグ最多。弱点を解消すべく、リリーフ陣にカミネロと森福が加入した。先行逃げ切りの勝ち試合が増え、チーム防御率3・45(リーグ3位)が改善される可能性は高い。
野手は陽岱鋼とマギーを獲得。陽岱鋼について他球団コーチは「1番で起用してくると思う。長野がもう一人増える感じ」と警戒する。ここ3年は故障に泣き、盗塁数も20、14、5と減少。FA宣言後、けがの多さを懸念して獲得を見送る球団もあったが、万全なら走攻守で戦力になるだろう。
“死角”はマギーの起用法にある。33歳で迎えた昨年、3Aで116試合に出場して6本塁打。高橋監督は「4番候補」と期待するが、プレーを見た球界関係者は「ピークは楽天時代。長打力が落ちた」と証言する。13年は楽天で28本塁打を放ち、日本一に貢献。球団はその実績を重視したが、一、三塁でポジションのかぶる阿部と村田のどちらかを控えに回す力が今あるのか、疑問符もつく。
1軍の外国人枠は4。実績のあるマイコラスとマシソンにカミネロが加われば、助っ人野手を登録できるのは1人。マギーを選べば、昨季24本塁打の左翼・ギャレットは2軍となってしまう。
世代交代が進まず、主力野手の平均年齢は年々上昇。昨季は機動力も駆使できず、坂本と村田が好調でありながら、519得点はリーグ4位だった。課題解消の鍵を握る陽岱鋼とマギー。ただ、盤石な戦力が整ったとは言い切れない印象だ。