センバツ21世紀枠 少人数で頑張る野球部にメッセージ 部員10人の不来方を選出
第89回選抜高校野球大会(3月19日から12日間、甲子園球場)の出場32校を決める選考委員会が27日、大阪市内で行われ、21世紀枠で中村(高知)、不来方(岩手)、多治見(岐阜)の3校が選出された。
不来方は選手10人ながらも昨秋、岩手大会で準優勝という実績を評価された。選考委員会は同校の選出について、部員数減少に直面しながらも活動を頑張っている全国の高校に対するエールを込めたという。
21世紀枠特別選考委員長を務めた日本高野連・八田英二会長は「少人数で活動を続けている学校に、力強いメッセージを込めた」と力説。「大会2日前までに、ケガ人などが出て出場できる部員が8人になった場合は、補欠校に差し替えられる。試合中もケガ人が2人出れば没収試合になる。そういうリスクを覚悟の上で、不来方を選んだ」という。
高野連の全国硬式野球部加盟校数は、2005年の4253校をピークに減少。16年は4014校だった。少子化など生徒数減少による高校の統廃合も進み、少人数で部活動をする高校も多い。不来方の選出は、似たような状況下で野球を続ける高校にも「頑張れば甲子園に出られる」という夢を託しているという。
選考委員会によると、過去に部員10人で出場した例は1987年センバツの大成(和歌山)。21世紀枠では初めてとなる。なお、出場選手証明書提出期限の2月15日までであれば、新入部員の登録は可能という。