ハム大谷WBC球完全攻略だ 乾燥地アリゾナで世界一調整
日本ハムが28日、成田空港発のチャーター機で春季キャンプ地の米アリゾナ州ピオリアへ向けて出発。エース・大谷翔平投手(22)は、乾燥地域の現地でWBC公認球の“完全攻略”をテーマに掲げた。3月のWBCで侍ジャパンの命運を握る男にとって、貴重な約2週間の旅が始まった。
表情を引き締め、出発ゲートをくぐった。居合わせた観光客を横目に、大谷は「いよいよ始まるなという気持ち。しっかり調整したい」と抱負。世界一と日本一連覇を見据え、言葉に力を込めた。
2月1日から10日までのアリゾナキャンプ。大谷自身のテーマは滑るWBC公認球への対応だ。「アリゾナは乾燥がすごいので、WBC球を使う上でいい練習になる。いい対応をしていければ」。過去、多くの侍戦士が苦労したWBC公認球への対応。大谷にとっても“壁”になる可能性はあるが、乾燥地域で攻略できれば怖いものはない。
また今回のWBCの準決勝、決勝の舞台はロサンゼルス。同じ乾燥気候であるアリゾナでエースの大谷がWBC公認球を駆使できるかは、侍ジャパンの今後を占う意味でも重要な2週間となる。
以前、栗山監督は大谷の調整にブレーキをかける考えも示していたが、この日は一転して「WBC組は自分で準備できる選手。最大限のサポートはする」と放任する方針。否定的だった現地での実戦登板も、検討される可能性が出てきた。
現地では大谷を視察するため、多くの大リーグ関係者が足を運ぶ可能性もある。そんな周囲を気にすることなく、大谷は「まず、WBCを目標に。ここからだと思います」。野球ファンの夢を背負う22歳が、異国の地へ飛び立った。