帝京五の元ロッテ・小林監督、就任1年目で導いた48年ぶりセンバツ

 第89回選抜高校野球(3月19日開幕、甲子園)の出場校が決まった。帝京五(愛媛)は1969年春以来、48年ぶり2度目の甲子園。昨年4月に就任した元ロッテ投手の小林昭則監督(49)が、私生活や練習法の改善によってチームを強化し、就任1年目で聖地に導いた。「全国制覇」の高い目標を掲げ、冬場も厳しいトレーニングに励んでいる。

 帝京五が48年ぶりの聖地切符をつかんだ。昨秋の愛媛県大会で準優勝。四国大会でも昨春センバツ準Vの高松商にコールド勝ちするなど、強豪を次々に下して準優勝した。ただ、決勝では昨夏甲子園4強の明徳義塾に2-11の大敗。就任1年目でチームを聖地に導いた小林監督は言う。

 「明徳戦で全国レベルを体感することができた。この冬、最低でもあのレベルまでチームを引き上げないといけない」

 同監督は帝京(東京)のエースとして85年センバツ準優勝。筑波大を経てドラフト2位でロッテに入団した。プロでは1勝もできなかったが、96年に現役引退後は教員免許を取得。母校・帝京のコーチを9年間務めるなど指導者として経験を積み、昨年春に帝京五監督に就任した。

 ナインには「野球以外の部分がグラウンドでの勝利につながる」と話し、寮や学校での生活面を厳しく指導する。パワーを身につけるため、本格的な“食トレ”も導入。毎食「どんぶり2杯」がノルマで、ほとんどの選手がこの1年足らずの間に10キロ前後の体重アップに成功した。

 元投手ながら「野球は打たなきゃ面白くない」が持論だ。練習は「3分の2・5がバッティング」で、ナインに徹底的にバットを振らせる。

 昨秋は俊足の2番・宮下勝利主将(2年)やチャンスにめっぽう強い4番・篠崎康捕手(2年)を中心に高い得点力を披露した。

 ただ、四国大会決勝で明徳義塾にパワーの差を見せつけられ、選手たちはレベルアップの必要性を痛感。この冬は毎日、学校近くの「稲荷山」や「喜多山」の坂道を走り込んだ。ダンプトラック用の大きなタイヤを引くトレーニングも続けて下半身を強化。篠崎は「みんな体に力がついて、スイングスピードが上がっている」と手応えを口にする。

 投手陣も甲子園の強打者との対戦に向け心技体の向上に余念がない。エース左腕・岡元健太朗投手(2年)はキレのある変化球と強気の内角攻めが持ち味だが、昨秋の時点で球速は130キロ台前半。小林監督は「140キロ到達」のノルマをエースに与え、下半身主導で投げるようフォーム改造も指示。岡元は「課題を克服して、甲子園では自分ができる最高の投球をしたい」と意気込む。

 チーム48年ぶりの大舞台。小林監督の目標はズバリ「全国制覇」だ。「初戦突破なんて低い目標を掲げていたら絶対に勝てないのが甲子園ですから」。指揮官の高い志に導かれ、帝京五ナインは充実したトレーニングを積み重ねている。

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