中日・ゲレーロ名刺代わりの2発!ドラ1柳、エース大野から
「中日春季キャンプ」(10日、北谷)
名刺代わりの2発で、竜の主軸候補が他球団に強烈な印象を与えた。中日の新外国人、アレックス・ゲレーロ内野手(30)が10日、シート打撃で大野とドラフト1位・柳(明大)から本塁打。左腕エース、期待の新人との対決で満点の結果を出し、偵察に訪れた他球団の関係者は一斉に警戒度を高めた。
背番号42が他球団に恐怖感を植え付けた。カウント1│1から始まるシート打撃で、まずは大野と対戦。1死走者なしの場面でファウル、ボールと続いてカウント2│2となった後、少し高めに浮いた136キロの速球を左翼席へたたき込んだ。
福谷には二飛に抑えられたものの、柳にはプロの厳しさを教えた。シート打撃初登板だったドラ1右腕との新戦力対決。フルカウントからの低めの球を軽いスイングで左中間席に運んだ。
「大野には高めの球をしっかりと捉えることができた。柳には低めの球をうまく捉えた」とゲレーロ。偵察した他球団関係者は目を見張った。開幕戦で対戦する巨人の森中スコアラーは「イメージとしてはマートン(元阪神)。開幕までの1カ月半でチェックしていくが、欠点が見つかるかどうか…」と困惑気味。広島の比嘉編成担当は「内外角の揺さぶりを苦にしなさそう。最低でも打率2割8分、30本塁打は打ちそう。ビシエドとの4、5番は脅威だ」と頭を抱えた。
味方同士の対戦で厳しい内角攻めがないなど、未知数の部分が多いことは確か。森監督も「打ったのだから順調とは思う。ただ、違うユニホームを相手にしてキレのある変化球を打てるかとか、疲れている状態ではどうかということもある」と楽観視を戒める。
その点はゲレーロ自身も十分に承知している。「開幕までにたくさんの機会を通じて日本の投手(の攻め方)や審判のストライクゾーンを確認したい」と研さんを深める考え。本当に牙をむくのは、もう少し先だ。