ロッテ・平沢よ、たくましさ出せ!遊撃レギュラーへ大河ドラマの2年目

 ロッテの平沢大河内野手(19)が遊撃の定位置獲りに挑んでいる。昨年、遊撃手部門でベストナインに選出された鈴木が今季から二塁に転向。レギュラー不在となったポジションを中村奨吾内野手(24)、三木亮内野手(25)と争っている。2年目の若武者がこのチャンスをつかめるのか、伊東勤監督(54)の目とともに追った。

 伊東監督が鈴木を二塁にコンバートした狙い。守備の負担を少しでも軽くして打力を生かす。もう一つの狙いは、若手野手の激しい争いによるチームの活性化。平沢、中村、三木の3人が、激しいポジション争いを繰り広げている。

 注目は伊東監督が「守備だけなら(レギュラー)」と評価する平沢だ。本人も「チャンスだと思っています。今年獲らなきゃ、来年チャンスがあるかとなると、そうじゃないと思いますね」とレギュラー奪取への強い決意を固めている。

 昨季は23試合に出場して打率・149、0本塁打、3打点。目下の課題は打撃力の向上だ。「強く振るだけでは当たらないが、強く振ることも大事です。どうやってコンタクトしていくか」と宙をにらむ。打つポイントとバランスを意識しているという。

 合格点を与えられている守備にも「100%アウトにしなきゃいけない。ミスは許されない」と言い聞かせ、捕球する位置、タイミング、形、足の運び、スローイング…基本を繰り返している。

 昨年は高卒1年目で“お客さん”だったが、今年は体も一回り大きくなって「ケガもなく順調にきています」と胸を張る。だが、伊東監督はピシャッと指摘した。「物足りないね。しぶとさや柔らかさがほしい」。さらに「もっとたくましさが出てきてもいいかな」と言う。

 ライバルの中村は昨年、二、三塁をメインに108試合に出場。今季は“安住の地”を得る最高の機会となっている。「(遊撃に)専念して練習できるのはいい。早く慣れたい」と捕球、送球時の足の運びを入念にチェックしている。「打撃も順調です。負けるわけにはいかない」とドラ1の先輩としてのプライドをにじませる。

 3人の中で最年長の三木は昨季、内野の全ポジションで出場した守備のスペシャリストで、課題は打率・185に終わった打撃。昨季の75試合出場から、「今季は100試合に出たい」と意気込む。

 壁は厚く、高いが、19歳の平沢が乗り越えるために求められるのは“たくましさ”。若さをフルに発揮して、もっともっと前に出ようとする積極性だ。

 25歳と24歳の先輩に挟まれてのキャンプ生活。平沢は「ライバル意識を持ってやれ、ということだと思います」と指揮官の真意を理解している。「(2人には)そんなに気を使っていませんよ。最低限の礼儀で接しています」。その一方、もっと積極さを前面に出したら-という記者の声には「(自らの)性格的な問題もあるので…」と歯切れは悪かったが、それはいい意味として東北人ならではの「奥ゆかしさ」と受け取りたい。我慢しながら努力を重ね、決して大言壮語しない。だが、プロは時に自分を売り込むための“えげつなさ”も必要だ。

 1軍キャンプ参加者中、最年少の平沢。キャンプは中盤から終盤を迎え、これから実戦モードに突入していく。「これからが本番です」と伊東監督。ポジション争いで若武者が存在感を増せば増すほどチームは活性化する。

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