帝京五エース・岡元、全国舞台でも“津田魂”強気に内角攻める
第89回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に四国から明徳義塾(高知)、帝京五(愛媛)と21世紀枠で中村(高知)の3校が出場する。各校から活躍が期待される選手を紹介する。
グラブに記した言葉は「弱気は最大の敵」。中学2年のとき、それを座右の銘にしていた故津田恒実氏(元広島)の特集番組をテレビで見て「ええ言葉やなあと思った」と帝京五のエース左腕・岡元健太朗投手(2年)。は振り返る。
そのフレーズが示す通り、持ち味は強気の内角攻め。球速こそ130キロ台前半ながら、打者の胸元に臆することなく直球を投げ込む。変化球もスライダー、カーブ、チェンジアップ、シンカー、フォークと多彩だ。
昨秋は県大会準優勝で自信をつけ、四国大会でも好投を続けた。初戦・岡豊(高知)戦は7回3安打無失点。続く準々決勝でも、昨春センバツ準優勝の高松商(香川)を相手に、8回6安打無失点の快投を披露した。
ただ、明徳義塾(高知)との決勝では、初回にまさかの6失点降板。前日の準決勝・英明(香川)戦で171球を投げた疲労は隠せず、明徳の強力打線に打ち込まれた。
悔しい敗戦から浮かび上がった課題は「球速アップとスタミナ強化」。この冬は「140キロ到達」を目標に掲げ、走り込みやタイヤを引くトレーニングなどで下半身を徹底的に鍛えた。さらに元ロッテ投手・小林昭則監督の指導のもと、下半身主導の投球フォームに改造を行った。
チーム48年ぶり2度目の甲子園。全国の強打者相手にも強気の内角攻めを貫く。進化を続ける左腕は「秋に見つけた課題を克服して、甲子園で勝てる投球をしたい」と力強く誓った。