ヤクルト山田3年連続トリプル3の可能性…そして史上初“四冠王”が見えてくる

 昨季、前人未到の2年連続トリプルスリーを達成し、今季は3年連続を狙うヤクルト・山田哲人内野手(24)。目標を果たした先に、自身初の三冠王ならぬ“四冠王”を獲得する可能性も秘めている。貪欲に結果を追い求める若武者に、師匠の杉村チーフ打撃コーチも期待を寄せた。

 3年頑張ったら一流-。昨年、師匠・杉村チーフ打撃コーチとの“3年計画”を終え、山田は誰もが認める一流選手となった。

 2年連続トリプルスリーは日本球界初の大記録。山田は「WBCで世界一になって、シーズン優勝と3年連続トリプルスリーを達成したい」と意気込んでいる。杉村コーチも「歴史を変える能力がある。3年連続で達成させたい」と全力サポートする構えだ。

 担当記者として、ここまでのキャンプ取材で偉業達成の可能性を探ってみた。そして私なりの結論が出た。女の直感も少しだけ加えて「3年連続トリプルスリー&四冠王」も狙えるとみた。打率、打点、本塁打の打撃3部門と盗塁王。すべて同時に獲得すれば、もちろん史上初となる。実際、昨年7月には4部門に加え、出塁率でも同時にトップに立ったことがある。夢のような話ではない。

 杉村コーチ指導のもと、山田は2014年から早出ティー打撃に取り組んできた。「ティーは基本の反復。11種類の中にフォーク、真っすぐ、クイック対策がある。すごく単純で小さなことの積み重ね。小さなことだけど継続することが大事」と同コーチ。「前日の試合で崩されたフォームを朝、早出で正しく戻すことで不安が取れて積極性が出る」という。シーズン中のルーティンであり、今キャンプでも11日に解禁して以降、コツコツと取り組んでいる。

 間近で接してきた愛弟子について、杉村コーチは「本当は首位打者や打点王も獲りたいんじゃないか」とみている。数々の記録を打ち立てた山田だが、最多打点と首位打者は獲得したことがない。

 昨季、セ・リーグで打点、本塁打の2冠を獲得したのがDeNA・筒香。山田はどちらも2位に甘んじた。打率は・304で6位。首位打者は巨人・坂本勇(・344)だった。まず打撃3部門でトップに立つために取り組むべきことは何か。山田は特別なことはしない。これまでと同じティー打撃を徹底して繰り返している。“3年計画”を終えても、変えることのないルーティン。基本中の基本を徹底練習し続ける先にこそ打率、打点のアップは見えてくる。

 盗塁王は今季、3年連続を視野に入れる。昨季、53盗塁でパ・リーグ盗塁王に輝いた糸井が同じセ・リーグの阪神に移籍。タイトル争いの激化が予想されるが、山田は「(盗塁王は)獲れればいいけど、ここというときに走れたら」とあくまでチームの勝利に貢献する走りを優先する考えだ。それでも昨季の盗塁成功率は実に・938。3年連続盗塁王は射程内だ。

 3月にはWBCに初出場する。杉村コーチは振り返る。「宮本(慎也氏=元ヤクルト内野手、現野球評論家)が代表のキャプテンをした後は、練習に取り組む姿勢が明らかに変わったし、目の色も変わった」。日の丸を背負うことは、さらなる成長にもつながる。一回りも二回りも大きくなって帰ってきたとき、3年連続の偉業達成、そして“四冠王”は見えてくる。(デイリースポーツ・疋田有佳里)

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