人的補償の選手こそ注目 DeNA平良、オリックス金田…過去には工藤も
新戦力はルーキーやFA選手、新助っ人だけではない。FAによる人的補償で移籍した選手たちも、並々ならぬ意気込みで新天地のキャンプに挑んでいる。巨人に移籍した山口の人的補償でDeNAに新加入した平良は、練習試合で好投し先発ローテ入りをアピール。糸井の人的補償で阪神からオリックスに移籍した金田も、開幕1軍を目指し奮闘中だ。
これまで歴代のFAの人的補償選手は、計23人。このうち、最も多いのが、巨人からの移籍選手で、10人いる。06年の工藤公康(門倉の人的補償で横浜)や、05年の江藤(豊田の人的補償で西武)、同年の小田(野口の人的補償で中日)、13年の脇谷(片岡の人的補償で西武、15年オフにFA宣言し巨人に復帰)らがおり、いずれも新天地で存在感を発揮したケースが多い。
最近の巨人からの人的補償組では、2014年に広島に移籍した一岡(大竹の人的補償)のブレークが記憶に新しい。当時、右腕は無名のプロ3年目。新たな働き場所で芽を出し、中継ぎとして欠かせない存在となった。特に、移籍1年目の古巣・巨人に対しての成績は7試合に登板、プロ初勝利を挙げたうえ、2ホールド、防御率0・00と群を抜いていた。
今オフの平良や金田ら、近年では比較的、人的補償に入団年数の浅い選手たちを選ぶケースが多くなっている。新たな環境でブレークの瞬間を迎えるべく、伸びしろのある若手選手を獲得する傾向が主流となっているようだ。