侍・藤浪、シーズン中と「別人」 変化球主体に1回0封!権藤コーチうならせた
「侍ジャパン練習試合、日本0-2ソフトバンク」(25日、サンマリンスタジアム宮崎)
WBC日本代表が25日、ソフトバンクとの練習試合で4安打零封負けを喫した。見せ場の少なかった対外試合初戦で、3番手で登板した阪神・藤浪晋太郎投手(22)が、変化球主体の投球で1回を無安打無失点と好投した。打線では広島・菊池涼介内野手(26)が3安打と一人気を吐いた。
ポン、ポンッとグラブを叩くと、小走りでベンチに下がった。侍ジャパンの一員として、藤浪が2017年の初戦に登板。六回を無安打無失点に抑え、変化を結果で証明した。24日のブルペン投球に「面白くも何ともない」とつぶやいた権藤投手コーチも脱帽させる内容だった。
「まとまってきているし、シーズンから別人になっている。球もいいし、カットボールとかでストライクが取れると、また一回り大きくなる」。名伯楽をうならせた投球術は、六回のマウンドで見せた。武田、千賀の後を受けて3番手で登板。まずは先頭の中村晃に対して、追い込んでから外のカットボールで二ゴロに打ち取った。
続く今宮は内をえぐるツーシームで、ボテボテの遊ゴロ。柳田はフルカウントから四球で歩かせたが、続くジェンセンの打席で二盗を阻止。課題とされていたクイック投球で、昨季23盗塁の男に進塁を許さなかった。「四球を出したのは反省点でしたね」と振り返ったが、マウンド上で見せた進化は首脳陣の目に留まった。
「すごく調子がよかったわけじゃないですけど、カットもツーシームも試せましたし、両方いい打ち取り方ができたかなと思います。ああいった打ち取り方ができればいいなと思う。テンポよく投げられてよかったです」
今後も慣れない中継ぎ登板が続くが、ブルペンでは先発同様の球数で肩を作る。普段のルーティンが好結果を生んだ。「長時間、中継ぎをやるわけではないので、マウンドに上がる時は最高の準備ができるようにしたい」。この日の直球は3球だけで、最速は148キロだった。全16球。変化球主体の「別人」藤浪が、今後の代表で存在感を発揮する。