「オープン戦、巨人３－５ＤｅＮＡ」（２５日、沖縄セルラースタジアム那覇）

　古巣にきっちり“恩返し”を果たした。巨人にＦＡ移籍した山口俊の人的補償でＤｅＮＡに入団した平良拳太郎投手（２１）が先発し、５回を５安打無失点。開幕ローテ入りへ大きく前進した。

　「去年とは違う、というところを見せたいと思って投げた」。マギー、阿部ら強打者が並ぶ打線でも全くひるまなかった。直球と変化球を低めに集め、遠慮なく内角を突いた。五回１死一、二塁のピンチでは、立岡をシンカーで二ゴロ併殺に仕留める頭脳的な投球も披露した。

　「１００点に近いくらい」と初々しく笑顔で自己採点した２１歳の右腕。刺激になったのは先発で投げ合った田口の存在だった。同期入団で巨人時代には２軍で一緒に汗を流し、前日にはＬＩＮＥで「あした、お手柔らかにお願いします」と連絡し健闘を誓い合った間柄。昨季田口は１０勝をマークしたが「差がつきましたが追い上げたい」と意気込む。

　先発ローテ入りについて、ラミレス監督は「近づいていると思う」と期待した。古巣を斬り、地元の沖縄で躍動した平良は、これで実戦３試合の登板で計１２回を１失点。「任された１試合１試合で結果を残せるようにやっていきたい」。競争を勝ち抜いて先発の座をつかみ取る。