「オープン戦、巨人２－６ロッテ」（２６日、沖縄セルラースタジアム那覇）

　巨人の重信慎之介外野手（２３）が「開幕２番」奪取へ前進した。２６日のロッテとのオープン戦に「２番・中堅」で先発出場し、２盗塁をマークするなど持ち前の脚力を発揮。チームはオープン戦連敗発進となった中で、２年目の韋駄天（いだてん）男が存在感を放った。

　「２番問題」の解決へ、ダイヤモンドを縦横無尽に駆けた。降雨の影響が残る悪条件下でも重信には関係ない。２度の出塁でいずれも盗塁成功。今年ここまでの盗塁成功率１００％を誇る２３歳は「僕の持ち味は足、スピード。もっとアピールしていきたい」と力を込めた。

　圧巻は四回の“走り”だった。遊撃・中村の失策で出塁し、すかさず二盗。直後にマギーの放った定位置付近への右飛で三進し、続く阿部の犠飛で生還した。高橋監督は「ライトもいい（捕球）体勢で入っているはずだが、ああやっていけるのは重信の脚力」と評価。「ああいう形で１点取れるのは大きい」とうなずいた。

　チームはオフの補強で野手陣ではマギーや陽岱鋼らを獲得。中核を成す戦力に厚みが増す中、それを生かす重信の脚力は大きな武器となる。今年の対外試合４試合すべてに２番でスタメン出場。その理由を指揮官は「色んな兼ね合いだよね」と話すが、与えられたチャンスを着実に生かしつつある。

　２４日に行われた３０メートル走のタイム測定で野手陣最速の４秒０４をマーク。自慢の脚力を実戦でも生かしたが「まだまだ確かな手応えはないが、ひとつひとつ、課題を埋めていきたい」と静かな口調で向上心を口にした。昨季は１１人が務めた２番打者。その座を射止めに、まだまだ走る。