ミスター赤ヘルと鉄人が背広姿で初対談 「負けたくなかった」山本浩二氏
元プロ野球選手の山本浩二氏と衣笠祥雄氏が27日、都内で「朝日新聞ReライフFESTIVAL」に参加。『「鉄人」と「ミスター赤ヘル」が語る「優勝」とは?』をテーマにトークショーを行った。2人が背広姿で対談するのは初めてだという。
同級生の70歳。2人は昨シーズン、25年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした広島が1975年に初優勝した時の主力であり、その後は山本氏は監督としてチームに貢献。衣笠氏は解説者として活動の場を広げた。
トークコーナーではMCの林正浩アナウンサーが後楽園球場での広島歓喜の初Vシーンを実況風に再現。山本氏は「苦しんで勝てば勝つほど感激は大きい。あの時は130試合制の129試合目。ウイニングボールを水谷はずっと隠していた」と回想。続けて、「優勝の前年まではし烈な最下位争いをしていた。キヌとは同学年だったし、負けたくなかった。初めて言うが(優勝までの)6年間はあまり付き合ってない」と明かした。
これを受けた衣笠氏は、「でも優勝したことで変わった。いい奴に巡り会えたと思った。おい、勝つためにはこれが必要なんだと」と振り返った。山本氏が、「それからは自分が打てない時はキヌになんとか打ってくれと思った」と2人の関係の変化を語れば、衣笠氏も、「何でも口に出して言える仲になった。75年以降に2人とも300本塁打を打ち、ともに(通算)500本以上というのはON(王、長嶋)も打ってない」と胸を張りながら、「周りはだれも認めてくれないけどね」と笑いを誘った。
広島は75年からルーツ新監督(シーズン途中で退団)の発案によって、春季キャンプ開始時から帽子を今の赤に変えた。その後に黄金時代を築き「ミスター赤ヘル」と呼ばれた山本氏だが、トークでは「あのころは恥ずかしかった。オープン戦で相手の選手が笑うんや」と吐露。衣笠氏は「1月31日のミーティングでルーツ監督が帽子をかぶって見せた時にはシンシナティー(レッズ)の帽子を持ってきたと思ったが、監督から『カープは今年は赤!』と聞かされて驚いた」と懐かしそうに明かした。