青木 喝打! 侍最年長、円陣でチーム鼓舞
「WBC強化試合、阪神4-2日本」(3日、京セラドーム大阪)
WBC日本代表は3日、阪神との強化試合に敗れ、実戦4試合で1勝3敗となった。2日に合流したばかりの青木宣親外野手(35)=アストロズ=はいきなり安打をマークし、存在感を示した。
久々の空気は不思議な感覚だった。「懐かしいというか、違和感が…」。日本代表で唯一のメジャーリーガーがプレーで日本のファンを沸かせる。侍初実戦の青木が、さすがの内容を披露した。
沈黙の打線に“カツ”を入れた。無得点のまま迎えた四回の先頭。岩貞が初球に投じた低めの直球を中前へ運んだ。八回無死一、二塁からはチーム打撃を徹底。二ゴロで走者を進塁させた。2日にアストロズのキャンプから代表本隊に合流。調整具合が不安視されたが、試合展開を考慮した的確なプレーで順応性の高さを見せた。
やはり日の丸は特別だ。「このユニホームを着ていることで気持ちがいつもと違う」。今回のメンバーでは唯一、連覇を経験。出場した第1回と第2回大会はイチローら先輩についていった。今回は自分がチームの先頭に立たなければならない立場になった。
自覚はしている。この日の試合前には円陣の中心から仲間たちを鼓舞。「すごく元気があって、明るかった。みんな声も出ているし」。収穫はベンチで後輩たちの高い士気を感じ取ったことだ。
ただの敗戦にはしない。「負けてしまったのは残念。でも、いいところもたくさんあった」。侍最年長のリーダーが世界一奪回への戦いをけん引する。