侍・藤浪、全戦スタンバイ!権藤コーチ、世界一奪回へキーマン指名
「WBC・1次リーグB組、日本-キューバ」(7日、東京ドーム)
7日に初戦のキューバ戦を迎えるWBC日本代表の藤浪晋太郎投手(22)=阪神=について、権藤博投手コーチ(78)が全戦スタンバイさせることを6日、明かした。中1日となるキューバ戦での登板について「あるでしょう」と説明。フル回転させたい考えで、試合展開次第での起用を示唆した。この日、藤浪は東京ドームでの前日練習に参加。世界一奪回へジョーカーになる。
名伯楽は頭を悩ませていた。開幕を翌日に控えた公開練習。「藤浪」の名前に反応すると、あらゆる可能性を口にした。権藤投手コーチは「誰をどこで使うかは…。これだけのメンバーだから」と前置きした上で、明かしたのは切り札的な役割だった。世界一奪回へ。藤浪がキーマンだ。
「どこで先発させるか。2、3番手なのか。毎試合、臨戦態勢でいてもらう」と2次リーグ以降に先発する可能性まで言及しつつ、全戦で登板待機させる可能性を示した。日程面を考えると、30球以内の連投であれば、決勝までの全試合に登板が可能だ。
元々高かった評価に加え、成長した姿を権藤コーチは絶賛する。2月25日の練習試合・ソフトバンク戦では1回無失点。1日の台湾プロ選抜戦でも、1回無失点。先発した5日の強化試合・オリックス戦では2回2失点だったが、評価は不変…どころか格上げだった。
「あの角度からあの球が投げられたらね。メドが立ったから。昨日は四球を出してバントでやられたが、向こうはあんな細かいことやってこないからね」
判断材料にしたのは、結果ではなく内容。同戦では、150キロ超の直球で吉田正のバットを折った。今年取り組んでいる脱力する投球スタイルに戻した二回は、カットボールとツーシームを軸に三者凡退。藤浪も「あれぐらいで投げられたら。動かす球で打ち取りたい」と方向性を固めていた。
日本の開幕戦は7日・キューバ戦。権藤コーチは藤浪の登板について「あるでしょうね」と即答し、「2イニング投げて中1日くらいどうってことない」と続けた。
この日はキャッチボールなどで最終調整。いよいよ「憧れ」だった大会に臨む。「気持ちの高ぶりはまだ特にないです。自分の準備をするだけ。それしかない」と藤浪。厳しい表情を崩すことなく、短い言葉に力を込めた。世界一奪回に挑む。日本のジョーカーは「FUJINAMI」だ。