小久保ジャパン侍の意地「死闘です。執念だけでした」総力蘭倒

 「WBC・2次リーグE組、オランダ6-8日本」(12日、東京ドーム)

 これが世界の戦い。これが頂点へ上り詰めるための試練。激闘を終えた日本代表・小久保裕紀監督(45)が、お立ち台でフゥッと一つ息を吐く。「死闘です。もう勝ちたいという執念だけでした」と、絞り出すように、勝利の感想を口にした。

 1次リーグでは、ほぼ不動のオーダーで臨んだ侍ジャパン。だが「(1次リーグは)過去のこと。一番勝てる確率が高いものを考える」と話していた小久保監督。連勝中ながら1番に田中を置き、7番に山田、8番に秋山を配し、機動力を重視した大幅な打順組み替えを決断した。

 それが序盤の攻撃で功を奏す。二回に先制点を奪うと、三回には5安打を集中させて4得点。3度にわたって追いつかれたが、日本が誇る救援陣が粘りの投球を見せ、タイブレークの延長十一回の勝ち越しを呼び込んだ。

 「ある程度の失点は覚悟していたが、それ以上の破壊力だった」とオランダ打線を評しながら「立ち向かっていった投手陣、捕手の小林のリード。本当にすごい試合だった」。指揮官の指示通り「攻め」の姿勢を貫いた侍たちをたたえた。

 指揮官も勝負手を打った。同点とされた後の四回のマウンドは、先発・石川に代えて、本来なら終盤につぎ込む救援陣の1人・平野を投入し、オランダ打線の流れを止める策に出た。

 さらにこの日の抑えには、牧田ではなく則本を起用。「今日は則本で行こうと。理由はないです」と説明した小久保監督。救援陣の形も固まっていたが「あとは直感ですね」と宣言していたように、勝負師の本能が采配にも表れていた。

 九回に同点とされ則本投入は裏目と出た。それでも勝利を得たのは、セオリーにとらわれずに動きまくった結果だ。「(この場では)語りきれない。あまり頭が回っていません」。すべてを注ぎ込み疲労困ぱいの指揮官。達成感に酔うのは、世界一奪還の後でいい。

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