中村40年ぶり準Vミット甲子園凱旋 横山監督「お守り」
第89回選抜高校野球大会(19日開幕)の甲子園練習が14日、スタートした。
40年ぶりに帰ってきた甲子園。16人の中村(高知)の選手たちは目を輝かせながら聖地の感触を確かめた。ベンチには少し古びたキャッチャーミットが置かれていた。1977年センバツ準優勝時に正捕手だった故押川正志さんが愛用したミットだ。
押川さんは当時のエース・山沖之彦投手の女房役として大活躍。クリーンアップを打つ強打者でもあった。しかし、18年前に若くしてがんのため他界。“二十四の瞳”と呼ばれた準Vメンバー12人の中でただ一人、今回の後輩たちの勇姿を見ることができなかった。
甲子園出発前の11日、ミットを保管していた押川さんの知人から横山真哉監督(54)が借りる形で持参した。「押川さんの思いを甲子園に届けたかった。大事なお守りです」と同監督は話す。
この日、中野聖大捕手(3年)は押川さんのミットをはめてキャッチボールを行った。「いろんな思いが詰まっているミット。すごく重みを感じました」。狙うは40年ぶりの1勝。偉大な先輩の魂と一緒に全力でつかみ取る。