侍・中田激白!無敗世界一へ二つの思い…翔平との約束、将への尊敬
準決勝進出を決めた野球日本代表・侍ジャパンの得点源となる5番・中田翔内野手(27)=日本ハム=が16日(日本時間17日)、デイリースポーツに世界一奪還に向けた強い思いを激白。尊敬する小久保裕紀監督(47)、日本ハムの後輩で、故障のため出場を辞退した大谷翔平投手(22)を「喜ばせたい」と、8戦全勝での頂点を誓った。
激戦続きの1、2次リーグは、中田にとって過去の話だ。2度の決勝打に3戦連続弾。筒香に並ぶチームトップタイの8打点は、野球ファンの記憶と記録に刻まれた。それでも平然と言う。「(日本ハムの)栗山監督なら普通って言うよね」。戦いはまだ2試合、残っている。約束があった。
無敗での突破。大谷が開幕直前で辞退したチームは、決勝トーナメント進出さえ危ぶまれていた。下馬評を覆した快進撃。決戦の地に立ち、チームメートの姿を脳裏に浮かべる。「ここに翔平がいたらって考える。すごいチームだよね、正直」。後輩だが、素直に実力を認める存在。思いを共に戦ってきた。
「この大会に一番出たかったのが、アイツなのは知っている。頑張ってくださいって言われたから『任せとけ』って。翔平のためにも、代わりとしても、やらないとダメだから」
15日のイスラエル戦は強い腰痛で欠場した。緩和されてはいるが、痛みを抱える左手首とともに、決して万全の状態ではない。実戦復帰即、本塁打の大谷を「出られただろ」と笑うが、任せろと伝えた以上、二言はない。もう一つ。男にする-と決めた人がいる。「オレにとってのスーパースター」。小久保監督だ。
13年の監督就任後、主要大会には呼ばれてきた。昨年11月の強化試合は全戦4番に指名され「本当にありがたい」と感謝は尽きない。実績も尊敬理由だが、将の行動に目を奪われていた。「ミーティングでは最初に『○○が誕生日。おめでとう』から入る。裏方さんも。調べているんだと思う。普通言う?代表の監督だよ」。徹底した気遣いが心に響いた。
「素直にすごい人だと思う。正直、手首はすごく痛かったけど。小久保さんが監督だから、出たようなもの。これは極論だけどね。小久保さんだから絶対に決めたい、絶対に勝ちたい。それはすごくあるし、感じている選手は他にもいるはず」
並み居るメジャーリーガーが相手でも、負けられない理由がここにある。「打てなければ批判を食らうし、負けたらいろんなことを言われる。けど、その倍以上言われるのが小久保さんだから。監督を喜ばせたいね」。胴上げする姿を夢に見る。将、そして大谷との約束を果たす戦い。思いを声に、声を行動に。頂点まであと2勝だ。