日大三・桜井 13Kも初戦敗退 夏こそ“宝刀”スライダー生かす
「選抜高校野球・1回戦、日大三5-12履正社」(19日、甲子園球場)
開会式と1回戦3試合が行われ、優勝候補同士の対決となった第2試合は、履正社(大阪)が同点の九回に一挙7点を奪取し、日大三(東京)を下した。
また、何かが足りなかった。踏ん張り切れなかったラストイニング。中堅の守備に就く日大三・桜井周斗投手(3年)の表情がこわばった。「最後までマウンドにいたかった。眺めるだけの試合になってしまって情けない」と、自分を責めた。
“宝刀”スライダーは甲子園でも輝いた。3番・安田から3打席連続、4番・若林からは4打席連続など八回まで毎回の13奪三振。神宮大会王者のバットが、次々と空を切った。「スライダーは履正社打線にも通用した」という手応えはある。
その武器が落とし穴にもなった。五回に被弾した3ランは高めに浮いたスライダー。だが「自信を持っていて慢心したところがあった」と球数が増えて握力が落ちた中盤以降も頼り続けた。同点の九回、先頭に四球を与えて中堅へ。救援の岡部が勝ち越し点を許した後に再登板したが、力は残っていなかった。
昨秋東京大会決勝・早実戦は、清宮から5打席連続を含む14三振を奪いながら、九回に逆転サヨナラ負け。「同じことをしてしまった」。悔しさは夏にぶつけるしかない。
中2冬に左肘を故障。昨夏前に投手に戻ってから工夫を重ねスライダーも身に付けた。「体力が足りないなと感じた。悔しさを持ってやっていきたい」。次こそ“宝刀”を生かし聖地で笑う。