侍・小久保監督、日本野球で米撃破だ 足で先制、投手総力戦で逃げ切る
いよいよ決戦の時-。WBC日本代表「侍ジャパン」の小久保裕紀監督(45)は20日(日本時間21日)、準決勝・米国戦を前に、機動力と投手力を駆使した「日本野球」で完全アウェーの戦いを制し、前回大会の雪辱を果たすと誓った。
全体練習前に行われた公式会見。小久保監督は勝負の時が近づく高ぶりを見せることなく、「まだ緊張してないですけどね。明日になれば緊張も増してくると思います」と落ち着いた口調で話した。
穏やかな表情。だが重要な一戦へ、熱い思いは胸に秘めている。この日は13年大会の監督、山本浩二氏が激励に訪れた。前回は準決勝敗退で大会3連覇を逃した侍ジャパン。その山本氏から「悔しさを晴らしてくれ」という言葉を受けた。
会見では「勝機のあるなしに関係なく、勝つためにやるのが戦(いくさ)だと思う。そのつもりでやります」と覚悟の程を示した小久保監督。示すべきは野球道。そのために日本が持てる特性を、余すことなく発揮する。
まずは機動力。2次リーグではプエルトリコが機動力を用いて、米国を揺さぶった。それは日本が最も得意とする攻撃だ。「先日(19日・ドジャース戦)の平田(中日)のスチールのように、隙があった時はいけるという、そういうものが出せれば」と話した。
米国戦では、東京ドームでの2次リーグのオランダ戦と同様、秋山(西武)をスタメンに起用して機動力を前面に押し出す考えだ。「足は使わないといけない。そういう指示は出します」。そして、この機動力から先手必勝の形を作り出す。
「先発から点を取って、リードした展開で後半に持ち込むという思いがある。ロアークから点を取らないと厳しい戦いになる」
米国先発・ロアークからリードを奪い、自慢の投手陣で逃げ切る。権藤投手コーチは「(継投に)筋書きは立てられない」と投手陣も総力戦で臨むことを示唆した。選手に疲労はあるが、小久保監督は「明日、やるかやられるかの一発勝負なんで」と語気を強めた。ベースボールの母国で、侍の「野球」がまばゆい輝きを放つ。