侍・菊池「負けられない」 バリバリのメジャー相手も「自信を持てばいける」
WBC日本代表「侍ジャパン」が20日(日本時間21日)、準決勝・米国戦へ向けてロサンゼルスのドジャースタジアムで前日練習を行った。菊池涼介内野手(27)=広島=は、米国戦に向けた熱い思いをデイリースポーツに激白。「負けられない」と決意を込めた。1、2次リーグでは、世界を驚かせた守備で勝利に貢献。世界一の守備力で、まずは米国撃破を狙う。
練習を終えた菊池のもとに、菅野が歩み寄ってきた。21日・米国戦で先発する同級生。少し真顔で言った。「あしたは全部、二塁に打たせるから」-。「やめて」と笑いながら、気持ちはグッと引き締まった。全勝で迎える準決勝。「負けられない」と前を向いた。
「メジャー相手ではレベルが違う。ただ、ここまで勝ち上がってきたし。1回も負けずにきた。ブランド負けしないように。自信を持ってやればいける」
キンズラー、イエリチ、スタントン…。最高峰のメジャーリーグの舞台でも、名前を聞けば一流と分かる選手が集う。選手に関心を示さない菊池も「『ほぼオールスターだ』と言われた。強いに決まっている」と言う。立ちはだかるのは最強の相手。だからこそ日本の守備力、菊池のスーパープレーが必要だ。
追い風もある。決戦の地となるドジャースタジアムが、本拠地マツダスタジアムに「似てる」と明かす。練習では球の走りや弾み方を入念に確認。芝の長さや土の硬さも好状態だ。「守りやすくて練習が楽しかった。芝が短いので打球が来る。後ろに守ることができる」。二塁後方の芝まで定位置を下げる守備範囲も魅力。“エリア4”が打球を止める。
1、2次リーグでは再三、攻守でチームを救った。12日のオランダ戦では、二遊間の強烈な打球を飛びついて好捕。倒れたまま遊撃手の坂本勇に、グラブトスして二塁で走者をアウトにした。この場面はMLBの公式サイトでも紹介。世界がその力を認めた。「うれしいけど、全く気にならない」。サラリと言う。
「楽しむことが一番」
「ここは後ろで守ることができる。今はとにかく勝たないといけない。国を背負って戦っている。自信と誇りを持ってやりたい」
安定の守備に加え、18日のカブスとの練習試合では本塁打。打撃も好調を維持している。「体はしんどいけど、やるしかないから。気持ちの高まりもあるけど、楽しむことが一番だから」と菊池。プレースタイルは変わらない。攻めの守備でチームに流れを呼び、積極打法で勝利を奪い取る。