小久保監督、一問一答「勝負は紙一重を感じた」
WBC準決勝の米国戦で敗れた日本代表、侍ジャパンの選手が23日、成田空港に帰国。小久保裕紀監督は会見で今大会を次のように振り返った。
-激戦を終えて帰国した。日本のファンに勇気と感動を与えた。
小久保監督「この仕事を引き受けて3年半になり、チームのWBC制覇を目標にしてきただけに残念です」
-日本は非常に盛り上がっていた。
「正直、大会中はあまりメディアに目を通していない。テレビもつけていない。日本の時も今回を含め、(選手は)よくやった。ありがたい。最初の目標は達成できなかったが」
-アメリカでは選手とどんな話を。
「全員と握手をして別れた。中田などは13年から全部出ている。彼らとの時間がこみ上げてきた。彼らに感謝します。胸を張って日本に帰ろうと言いました」
-ゲームセットの瞬間は。
「最後の最後まで何が起こるか分からないと思って見ていた」
-1点の差はどれだけの差だったか。
「東京の時とやってきた投手とはランクが上回っていた。動くボール主体でスピード、動き幅などが違った。(日本の)打線の状態は良かった。1点差以上に感じた。
ゲーム中、出てくる投手はツーシーム系ばかりで引っ張ったりせずに、コンパクトにセンターに打ち返すように指示したが、それもさせてもらえなかった」
-日本野球のすごさはどう思うか。
「菅野はキューバ戦での投球を見事に修正した。(米国)打線をしっかりと抑えて、日本のトップは十分に通用することを証明した。中継ぎ、抑えがゲームを作った。タテに変化のあるのは有力と思った」
-今回は長打が多かった。
「動くボールが主体だったが、今回はホームランも出た。以前よりもメジャーのボールに負けないようになった。筋力がアップした。今回対戦して新しい経験を積んだ。クリアできる部分だ。(日本の選手は)まだ若い。これから日本球界をけん引して目標を高く持ってもらいたい」
-3年半、信じてやってきたことは。
「勝つために自分で決めたことを実行に移すことを徹底した。スタメン、先発を決める。今大会中、いろんな意見に惑わされずに自分で勝てるものを貫いた」
-野球人として芽生えたものは。
「野球の代表監督は易しいものではなかった。まず最初に選手を集める中で、日の丸を背負うのはリスクが高い。プレは11月の終わり、WBCは開幕前だ。負担が大きい。使命感を持って日本球界を引っ張っていく。そういう選手を集めなければならない。
勝ちだけにこだわらず、みんなにチャンスを与えることも必要。勝つためだけだと各球団のトップになる。(出番が少ない選手に対して)つらかった」
-今回の代表監督で得たものは。
「勝負は紙一重を感じた。あれだけの選手が集まって、あれだけの戦いができる。あのような選手とやってこられたことは私自身の財産です」
-今後は。
「一区切りです。ファンの皆さん、国民の方々、世界一になれなかった。責任はすべて私にある。WBCを通して成長した選手の活躍を楽しみにしています。気持ちを切り替えてシーズンに入ってほしい」
3年半やって今後へのアドバイスは。
「いろいろあります。いまは意見を申し上げることはできない。これからそんな場合があれば、聞かれたら答えたい」
-サムライ(侍)の常設化について。
「メンバーが常に選ばれるので選手の意識が高まる。野手は固定されやすくなる。プレースタイルを見ることによって作戦を立てやすくなる」
-今後、12球団監督を含めてご自身の夢は。
「いまは全くそんなことは考えていない。これから1つの区切りをつけて第3の人生を考えていく。12球団の監督と代表監督は全くの別物で比べることはできない。いまは先のことは考えられない」