選手を大きく支えたトレーナー 米国への移動も万全の状態維持

 「小久保ジャパン戦いの軌跡【2】」

 2月23日の宮崎合宿から始動し、侍ジャパンは約1カ月の戦いを終えた。ナインは日本から米国へ、そして米国内での移動など、グラウンド外にも疲れの要素はあった。それでも「史上最弱の代表」という下馬評は覆した。ベストな状態で試合に臨むためにも、侍ジャパン、NPBは体調面から全面バックアップを図っていた。

 例えば藤浪であれば、阪神から手嶋トレーナーが帯同。現在2軍トレーナーを務めるが、藤浪の強い要望もあり、球団から了承を得て同行が決まった。

 代表に3人を擁した巨人からは根津トレーナーが帯同。特に菅野は同トレーナーと「万全を期そう」と話し合い、治療を徹底した。米国内では、アリゾナからロサンゼルスへ飛行機移動。シーズン中は移動後の治療は行っていないが、背中や股関節に負担がかかるため、今回は移動後も治療を行い入念に体をケアした。

 準決勝に先発した菅野は前日、「やれることはやってきました」と万全の状態を強調。根津トレーナーも右腕の状態を「バッチリです」と背中を押した。米国戦前の試合前に練習中には、同トレーナーが「気持ちは一緒だから」と菅野に声を掛け、右腕は自身の胸をたたき呼応する一幕もあった。ともに戦っていることを象徴する。

 結果、チームとしては敗戦を喫したが、大一番で菅野は6回3安打1失点。エースの快投を支えた1つの要因ともなっただろう。所属チームにいる時と変わらないサポートは、選手を大きく支えた。

 ナインにとって、好状態への体のケアは言わずもがなの必須事項。今後の国際大会でも、球界、所属チームをあげてのさまざまなバックアップが、好パフォーマンスへの足がかりとなるだろう。

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