元中日・谷沢健一氏の長女・順子さん WBC初優勝の米国をトレーナーとして支える
第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は米国の悲願の初優勝で幕を閉じた。数多くのメジャーリーガーが出場し、世界の強豪国が集った大会。米国は2次リーグでドミニカ共和国を、準決勝では日本を、そして決勝戦ではプエルトリコを撃破。ベースボール発祥国の威信を懸け、初めて世界の頂点に立った選手たちを陰で支え続けたのが日本人トレーナーの谷沢順子さんだった。
シャンパンに濡れた顔が輝いていた。悲願の初優勝を遂げた米国代表。フィールドに立つ選手たちを支えてきた谷沢さんは「こんなに素晴らしいチームに関わることができてとても光栄に思います」と笑顔を見せた。
中日で大活躍した健一氏を父にもつ。普段は米アリゾナのトレーニング施設「ALTIS」のアスレチックトレーナーとして陸上選手の体をケアする。04年からは米国代表のトレーナーとして五輪や世界陸上に帯同している。
米国代表は全員がメジャーリーガー。「何が必要かを選手に聞いてベストの形でサポートする。一人ひとりやり方が違うので、それに合わせてサポートすることは大変でしたけど、ルーティーンが分かってからは大丈夫でした」。約2週間の大会。1次リーグから決勝まで8試合の短期決戦を「あっという間でした」と振り返る。
試合後、クラブハウスで行われた、シャンパンファイトは生まれて初めての経験。「楽しかったです」と谷沢さん。「与えられた役目を果たすことだけを考え、自分なりに精一杯やってきました」。充実感いっぱいの表情でそう言った。