福岡大大濠・三浦24回完投326球 3日越しの決着!「やっと終わったなあ」
「選抜高校野球・2回戦、福岡大大濠5-3滋賀学園」(28日、甲子園球場)
延長十五回引き分けとなった2回戦の再試合2試合が行われ、福岡大大濠は滋賀学園に競り勝った。26日に15回を投げ抜いた三浦銀二投手(3年)がまたしても完投し、同校初の8強入りに導いた。高崎健康福祉大高崎は、山下航汰内野手(2年)の史上2人目となる大会2本目の満塁本塁打などで福井工大福井に大勝。2年ぶり3度目の8強入りを決めた。
鉄腕が投げ切った。196球で延長15回を完投した26日の試合から中1日。滋賀学園との引き分け再試合を制したエースの三浦は、「やっと終わったなあ」と安どの笑みを浮かべた。
「肩は少し重かった」が、マウンドは譲れなかった。直球主体で攻めた2日前とは違い、「制球重視、変化球多め」の組み立て。3-3の五回に女房役の3番・古賀が左中間へ勝ち越し2ランを放つと、「気が楽になった」と終盤はギアを上げた。九回にこの日最速タイの142キロをマークして130球の完投。2試合計326球の熱投で死闘をものにした。
アルプスで観戦した母・礼子さん(48)は「本当にタフな子。誇りに思います」と感激の面持ちだ。愛息の勇姿を見つめながら思い出したのが小学2年の冬、福岡市内の約40キロのコースを親子で歩く行事に参加したときのこと。雪が降り、寒風が吹き荒れる中でも「銀二は一言も弱音を吐かずに歩き切った」という。
初戦から3試合で球数は計475球。決勝まで勝ち進めば、この日から休みなしの4連戦になる。準々決勝の相手は報徳学園。「勝ちにつなげられるようにしっかり投げたい」。エースは1人で投げ抜く覚悟だ。