オリックス・金子千尋投手（３３）が３０日、２年連続６度目となる開幕投手へ静かに闘志を燃やした。

　「誰でも投げられる試合じゃない。光栄ですが、大事な試合と思いすぎるとよくない。１４３試合の一つと考えています」

　独特の表現で意気込みを示した。指名を受けたのはキャンプ中。福良監督から監督室に呼ばれ、カレンダーを指さして「３１日を任せるから」と言われ「分かりました」と答えた。余計な言葉はいらない。指揮官の信頼は十分に理解している。任された以上、期待に応えるだけだ。

　楽天戦は昨季、２勝２敗。完封勝利を挙げた一方でアマダー、ウィーラーに一発を食らったこともあった。チームとして、ペゲーロを含めたスタメンに並ぶ３人がキーマンと警戒する。昨季８月２６日からの３連戦ではアマダー、ペゲーロに３試合連続アベック弾を食らうなど３人で１５発を浴びたからだ。福良監督は「そこをどうするか。その前に走者を出さないように。単打ならＯＫくらいで攻めないとね」と話した。

　チームとしても２０１０年以来、開幕戦は勝っていない。最後の勝利は金子。しかも同じ楽天に１－０完封勝ちした。６年ぶりのホーム開幕。前売りは完売。満員のスタンドを前にエースが躍動する。