『履正社の4番』若林苦しんでV打 打率・154でも将の信頼揺るがず
「選抜高校野球・準決勝、履正社6-4報徳学園」(30日、甲子園球場)
苦しんできた4番が意地を見せ、履正社が3年ぶり2度目の決勝進出。主将・若林将平外野手(3年)が土壇場で決勝打を放った。
1点を追う九回、同点に追い付いた後の1死一、二塁。目の前で安田が敬遠気味に歩かされた。「今の実力ならそうだと思った。悔しいけど打ち返そうと思った」。右前で打球が跳ねると、一塁上で口元を緩めた。
新チームから不動の4番は、この試合まで打率・154。それでも岡田龍生監督(55)は打順を動かさなかった。「打てなくても4番で使ってくれて感謝しています」。宿舎ではバットを抱いて寝るほど悩んできた主将が恩師の期待に応えた。
目指してきた頂点は目前だ。「頼りないキャプテンでもみんながついてきてくれている」。若林がプレーと背中で日本一へ導く。