報徳・永田監督有終Vならずも「感動」 教え子に「忘れ物を取り返して」

 「選抜高校野球・準決勝、履正社6-4報徳学園」(30日、甲子園球場)

 準決勝2試合が行われ、報徳学園は逆転負け。今大会限りで勇退する永田裕治監督(53)は2度目のセンバツ制覇に惜しくも届かなかった。

 最後のタクトにナインが奮い立った。「奇跡を起こそう!」。逆転された九回。ここからが“逆転の報徳”の真骨頂だ。1死一塁から代打山本、小園の連打で1点を返して粘り抜いたが、最後は相手の好守に阻まれた。

 泣き崩れるナインにスタンディングオベーションが降り注ぐ。今大会での勇退を決めている永田監督は「すごい力の差があった中でここまでできると思っていなかった。ただただ感動です」とすがすがしく語った。

 昨秋は「(歴代で)断トツに弱いチーム」。しかし、一丸で挑んだ甲子園が一戦一戦選手を育ててくれた。履正社を上回る12安打を放ち、神宮覇者とがっぷり四つに組んだ。

 「苦しい時はアルプスを見ろ」と教えてきた。「縁があって一緒に野球をやってきた仲間だから」。非効率的と言われても100人近い部員に同じ練習を課した。「下手でもみんな引き連れて最後までやってきた。それは貫いた」。自身の失策が九回の失点につながった篠原翔太捕手(3年)が「自分が情けない」と涙する姿には「指導できなかった僕の責任」と唇をかんだ。

 伝統は教え子の大角健二部長(36)が引き継ぐ。選手、監督で優勝。伝統をつないだ名将は「春の忘れ物をぜひ取り返してもらいたい」と夢を託し、深い緑のユニホームを脱いだ。

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