燕・バレンティン、特大1号のち退場1号「チームメート守ろうと」
「阪神1-3ヤクルト」(4日、京セラドーム大阪)
4番が豪快な一撃をかました後に、退場処分を食らう壮絶な試合となった。1-0で迎えた三回。先頭で打席に立ったヤクルト・バレンティンが、先発・藤浪の146キロを強振。打球はバックスクリーン左の5階席に突き刺さった。
今季1号だ。「勝つ試合で打てて、うれしい」。黄色に染まったスタンドが静まり返るほどの一発だった。
“事件”が起きたのは五回。藤浪の投球が6番・畠山に直撃。「肩に当たってから(左頬付近に)当たった」。畠山が立ち上がり、若虎をにらみつけると、次々と両軍のコーチ、選手がグラウンドに集まる乱闘騒ぎに発展した。
「チームメートを守ろうという気持ちで」と少し遅れて輪の中に入ったバレンティンが、阪神・矢野コーチと接触。突き飛ばす形となり、それに激高した同コーチが蹴りにかかるなどヒートアップ。両者に退場が告げられ、場内は一時騒然となった。
「ぶつけられて、犠牲者になってほしくない」とバレンティン。傷つけられた仲間を思ってのことだった。真中監督は「しょうがないけど、(藤浪は)あまりにも危ない球が多い」と言葉を選びながら話した。大乱闘の末に勝利を手にした燕軍団。チーム一丸で、力強く歩を進めていく。