岩村引退会見 21年間「全力で駆け抜けてきた」
ヤクルトや米大リーグなどで活躍し、独立リーグのルートインBCリーグ・福島で兼任監督を務める岩村明憲内野手(38)が10日、都内のホテルで会見を開き、今季限りでの現役引退を表明した。
引退の理由について「体が動く以上は野球をしたい気持ちもあったが、監督という立場で若い選手を育てる中で自分の名前が足かせになっている部分もあった。若手にチャンスを与えた方がいい」と説明。21年間のプロ生活を「1試合1試合、全力で駆け抜けてきた」と振り返った。
印象に残った場面にレイズ時代の08年ワールドシリーズ出場などを挙げた岩村。中でもヤクルト時代に母親が亡くなった05年8月26日・横浜(現DeNA)戦で2本塁打を放ったことについて「天国から見ていた母親が打たせてくれた」と特別な思いを語った。
楽天時代の11年に東日本大震災を経験。20年東京五輪では被災地・福島での試合開催も決まり「世界の方々が東北、福島の良さを伝えてくれることは大事。野球を通じて僕らが伝えられることは伝えたい」とした。
現役に区切りはつけたが熱い思いは尽きない。「今までの経験を軸に野球界に貢献したい」。第2の人生も「何苦礎魂(なにくそだましい)」でまい進する。