早実・清宮、連発80号81号 40打席ぶり一発「スッキリした」
「春季高校野球東京大会・準々決勝、早実14-2駒大高」(15日、神宮第二球場)
今春センバツに出場した早実が五回コールド勝ちし、準決勝に進んだ。今秋ドラフト1位候補の清宮幸太郎内野手(3年)は、高校通算80、81号となる2打席連続本塁打を放って貢献した。
悩める怪物スラッガーがようやく目覚めた。高々と舞い上がる白球に沸き上がる歓声。「今日は自信がありました。スッキリしたというのはあります」。右翼後方のネットまで運ぶアーチを見ながら、清宮が悠々とダイヤモンドを回った。
まずは四回。1死一、二塁で、内寄りの直球を詰まりながら右越えに運ぶ3ラン。五回1死一塁では、外角直球を拾った飛球が、そのまま中堅左に飛び込む2ラン。「会心の当たりでなくとも入る」と冬場のトレーニングの成果を実感した。
3月8日の早大との練習試合以来、実戦40打席ぶりの一発。センバツから「不調が続いた」と認めた。4回戦からの中5日で試行錯誤を重ね、下半身の使い方を修正。「それが分かったから、焦る気持ちがなくなった」と余裕を取り戻した。
2年前の4月9日、高校デビュー戦の相手が駒大高だった。同18日の高校1号は、同じ神宮第二での準々決勝。「高校野球を始めた時の懐かしい気持ちになりました」と初心を思い出した。
その時「80本ぐらい打ちたい」と話していた節目に到達したが「目標というわけじゃない。ホームランは打てるだけ打てればと思うけど、チームを優勝に導くバッティングが目標」と信念を口にした。お目覚めの80号も通過点。集大成の1年、清宮がいよいよ加速していく。