なぜ18対17に?日大三“清宮キラー”温存 エース桜井に「お前は夏だ」

 「春季高校野球東京大会・決勝、早実18-17日大三」(27日、神宮球場)

 18-17。ラグビーのようなスコア、しかも延長十二回にもつれる内容で、西東京のライバル対決は早実のサヨナラ勝ちで決着した。早実・清宮幸太郎内野手に九回の同点3ランを含む2打席連続本塁打が出るなど、派手な試合にはなったが、なぜここまでの乱打戦に発展したのだろうか。

 まず初回、日大三の先発・岡部仁投手が負傷のため0回2/3で降板した。その後、継投していくことになるが、エース左腕・桜井周斗は最後まで温存された。準決勝の帝京戦に勝利し、早実との決勝が決まった後、小倉全由監督から「お前は夏だよ」と登板回避を指示されていた。昨秋の東京都大会決勝では、野村にサヨナラ弾を浴びたものの、清宮から5三振を奪った清宮キラー。4点差がついた九回に登板していれば…。勝負に“たられば”はないとはいえ、清宮が起死回生の同点3ランを放つ可能性は変わっていただろう。

 さらに、この春季大会は、決勝に進出した時点で関東大会の出場権を得る。夏の甲子園出場に直接は関係しないことも踏まえると、「秋のリベンジ」や「ライバル決戦」といった理由が、主な対決へのモチベーションになる。最後の決戦となる夏の大会を見据えた戦い方になるのも当然だ。

 桜井を早実に見せたくなかったかと問われた小倉監督は「そりゃそうですよね」とさらりと答えた。「あと2番手、3番手のピッチャーが投げれるようにしないと。八木が打たれたのもありますけど、延長になってから、しっかり投げてくれた。八木もいけるなと」と6投手(八木が2度登板し、のべ7投手)を、2万人が訪れた神宮球場の舞台で夏の予行演習をさせた成果を挙げた。

 「夏は決勝で早実さんとですから。打倒・早実しかないですから。そこでプレシャーになっちゃいけないですけど、決勝の早実のみ。その気持ちでいくしかないですね」。両軍合わせて7本塁打36安打35得点。4時間2分の激闘を終えた指揮官は、笑みを絶やさず言い切った。

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