市西宮・山本、選抜4強・報徳学園に五回2死まで完全投球 145キロ右腕公立の星
「春季高校野球兵庫大会・準々決勝、報徳学園2-1市西宮」(3日、明石トーカロ球場)
激戦区の兵庫に新星が現れた。兵庫県内屈指の進学校・市西宮の最速145キロ右腕・山本拓実投手(3年)が、今春センバツ4強・報徳学園を相手に好投を見せた。敗れはしたが五回2死で安打を打たれるまで、一人も走者を出さない完全投球で8回3安打2失点。すでに阪神、日本ハムなど複数球団が視察に訪れている好投手が、夏へ向けて期待が膨らむ好投を見せた。
身長167センチと小柄だが、全身を使ったフォームからキレのある直球を投げ込む。自身と同じく小柄な楽天・則本に憧れており、強気の投球が持ち味。2種類のスライダーなど5種類の変化球を操り、昨夏の兵庫大会1回戦・香住戦は参考記録ながら8回を投げてノーヒットノーランを記録した。
この日も報徳打線を強気に攻めた。「センバツのベスト4と試合をやらせてもらえるので楽しみにしていた」。積極的に内角を突いて、プロ注目の3番・小園海斗内野手(2年)、4番・篠原翔太捕手(3年)の両打者を無安打に抑えた。
市西宮は偏差値60台後半の進学校で、山本は普通科に通う。卒業後は大学に進学予定だが、将来はプロ入りを目指す。夢に近づくためにも、今夏は甲子園出場を狙う。
市西宮は春夏通算3回、甲子園に出場しているが、1964年の春を最後に聖地から遠ざかっている。また、夏の甲子園では、市西宮の女子生徒が開会式の行進でプラカードを持つ。「甲子園に出るチームを体験したことで、夏へ向けてイメージがしやすくなった。(市西宮の)女子は甲子園に出られるし、男子も出たい」と山本。今夏、同校を53年ぶりの聖地へ導くことを誓った。