プロ初勝利挙げたFA人的補償のDeNA平良「勝って恩返しをしたい」
「中日1-3DeNA」(10日、ナゴヤドーム)
勝利の瞬間、ベンチで手をたたいた。ジワジワと実感が湧く。ナインとハイタッチをし、白い歯をのぞかせた。5回3安打1失点でプロ初勝利。DeNA・平良拳太郎投手は、「ホッとしました」と照れくさそうに笑みを浮かべた。
移籍後、初登板初先発で「緊張感ありました」というが、投球は冷静だった。右サイドからキレのある直球、シンカーなどの変化球を効果的に使って相手を料理した。五回1死二、三塁のピンチで「気持ちを入れて投げました」と亀沢の犠飛だけで切り抜けた。
味方に援護してもらった。打線が五回までに3得点。勝利投手の権利を持ってマウンドを降りることができた。リリーフ陣も無失点に抑えた。守護神のパットンから記念のボールを渡された平良は、「家族に渡したいと思います」と感謝の気持ちを言葉に込めた。
巨人にFA移籍した山口俊の人的補償で昨オフに入団。「いろんなことがあった。いろんな人に支えてもらった」。阿部、内海ら巨人時代の先輩にお世話になった日々も思い出した。登板前には同じ沖縄出身の巨人・宮国から激励された。
「勝つことでどっちに対しても恩返しになると思いました。これからも勝って恩返しをしたい」。新天地で輝きを放ち、ナインに祝福された平良。ラミレス監督は、「今日勝っていいピッチングをした。もう一度、投げる権利は持っている」と今後のローテ入りを示唆した。きっちり結果を出した21歳の若武者が、やっとDeNAの一員になった。