“粘りの立大”59年ぶり4強 九回、熊谷執念の同点適時打!
「全日本大学野球選手権・準々決勝、立大4-3天理大」(8日、神宮球場)
立大が延長十回タイブレークの熱戦を制し、59年ぶりの準決勝進出を果たした。主将の熊谷敬宥内野手(4年・仙台育英)が九回に起死回生の同点適時打を放ち、十回に内野ゴロで勝ち越した。上武大はコールド勝ちで3年連続、明治神宮大会を含めれば5季連続の全国大会4強入り。国際武道大は27年ぶり、東海大北海道は初の4強入りを決めた。
主将が“粘りの立大”を体現した。1点を追う九回1死二塁。熊谷が真ん中低めに入ったスプリットに反応した。中前に運ぶ執念の同点適時打。タイブレークでの劇勝につなげ「本当に粘り勝ちしたなと」とうなずいた。
初戦の富士大戦も、2点を追う七回に6点を挙げて逆転勝ち。今春リーグ戦でも九回以降の同点や勝ち越しが、逆転サヨナラの最終戦を含めて3度もあった。この日は0-3の八回、山根の左越え2ランで反撃開始。熊谷は「自分たちの流れだと感じた」と明かした。
試合中の対応力が光る。イニング間の円陣では投手の傾向や捕手の配球を共有。九回の熊谷は、相手左腕のスプリットの球筋を2球でインプットしていた。直前には寺山がノーサインで二盗に成功。全員が各所で自分の持ち味を発揮することが粘りの秘密だ。
今季のチームスローガンは「戮力同心(りくりょくどうしん)」。全員の力を結集し、心を一つにするという意味だ。59年ぶりの4強に「立教の歴史に名を残せたのはうれしい」と熊谷。このまま頂点へ突き進む。