オリックス・マレーロ本塁踏み忘れた デビュー即初弾のはずが幻に…
「交流戦、オリックス4-2中日」(9日、京セラドーム大阪)
一体、何が起きたんだ!何やら話し合う審判団を不安げに見ている。オリックスの新外国人・マレーロが逆転弾デビュー、と思いきや、本塁踏み忘れという衝撃のオチが…。この日、出場選手登録されるや、すぐさま「1番・右翼」で先発した助っ人の来日初アーチは幻に消えた。
予想だにできなかった問題の場面は1点ビハインドの五回無死一塁。中日先発・小笠原のチェンジアップを中堅左へガツン。かっ飛ばしたライナー性の打球は逆転2ラン、のはずだった。
マレーロは両手をたたきダイヤモンドを回った。意気揚々とベンチへ戻ったまではよかったが、中日側が球審に本塁空過をアピール。この訴えが認められアウトを宣告された。結局、認められた得点は一走・若月が生還した1点のみ。記録は適時三塁打となった。
試合後は照れくさそうだった助っ人。「(本塁打だと思い)うれしかったんだが…、自分では踏んだつもりだった」。次の七回の打席の際には中日捕手・松井雅に確認したというが、「少しだけ踏めていなかった、と(言っていた)」と苦笑い。それでも「こんなことは初めて。結果、三塁打になったが、打点もついた」と自身が来日初打点を挙げたことに加え、チームの延長サヨナラ勝利に満足げだ。
本塁打が消えたとはいえ、助っ人の打撃に福良監督も「面白いですね。(長打力も)見せてくれました」と評価。“幻の来日初アーチ”直後には、ベンチでマレーロと会話を交わし「マスコットがジャマになったって」と、本塁付近で待ち受けた球団マスコットに気を取られたとのやり取りを明かした。
本塁空過による本塁打取り消しは81年7月19日の広島・ガードナー以来、36年ぶり。それでも暗さはない。ダイナマイトボディーの恋人・デミさんも観戦し「笑ってました。幸せそうな顔をしていました」とマレーロ。チームは交流戦首位をキープ。次こそ抜かりない一発を披露したい。