ロッテ・石川やっと今季初星 7度目先発、7回1失点
「交流戦、DeNA1-8ロッテ」(13日、横浜スタジアム)
ロッテ・石川に心の底からの笑顔はなかった。「いままで迷惑をかけてきたので、(これから)しっかり投げたいと思います」。ここまで今季6試合で6敗。昨年の最優秀防御率投手がイヤというほどもがいた。苦しんだ。
伊東監督は「本人も自信を持って投げていた」と話し、こう続けた。「気持ちの問題。それしかない」
WBCからの帰還後の調整が狂ったこともあったろうが、勝てないことで自信を失い、悪循環に陥った。
だが、この夜は違った。「自分の球を投げればいい」。140キロを超える速球を主体にグイグイ押した。左打者の内角を果敢に攻め続けた。四球は0、三振は9個を数えた。
5月30日の阪神戦で4回1/3を7失点KO。伊東監督は一度は2軍落ちを決めたが、石川の「もう一度死にものぐるいでやります」という訴えを受け入れた。6日の中日戦で好投し、この夜への布石を打った。
断崖へ追い詰められて目覚めた。復活への足がかりをつかんだ1勝は、だからこそ価値がある。