履正社・安田、ゴジラ弾 松井以来!右翼場外の星稜・山下総監督宅にぶち当てた!

 「高校野球・練習試合、履正社9-6星稜」(18日、星稜グラウンド)

 今秋のドラフト1位候補、履正社・安田尚憲内野手(3年)が18日、金沢市内の星稜グラウンドで星稜との練習試合に出場し、高校通算59号となる場外への満塁本塁打を放った。打球は、グラウンド外の道路を挟んで立つ星稜・山下智茂総監督(72)の自宅2階の外壁を直撃。試合で同監督の家に当てる場外弾を放ったのは、星稜OBの松井秀喜以来2人目。山下総監督が「140メートルぐらい飛んでいる」と舌を巻く特大弾だった。

 快音が響いた直後、右翼手はすぐに追うのを諦めた。安田が放ったライナーは、両翼91・5メートルのフェンス後方にある高さ約20メートルのネットも越えて場外へ。山下総監督の自宅を直撃する推定飛距離140メートル弾。巨人、ヤンキースなどで日米通算507本塁打を放った松井以来の衝撃だった。

 「感触はかなりよかった。59本の中でも一番飛んだと思う。自分は松井さんのようになりたいと思っているし、(同じように)ネットを越せてよかった」

 プロ注目の最速149キロ右腕、星稜・清水力斗投手(3年)との対戦。阪神、巨人など9球団12人のスカウトが視察に訪れていた。三回無死満塁。外角直球を捉えた。松井氏の高校通算60本塁打にあと1本に迫る一発で、周囲の度肝を抜いた。

 打たれた清水は「あれだけ飛ばされたのは初めて」とぼう然。広島・鞘師スカウトは「レベルが高い投手の失投を逃さずに、一振りで仕留めたのは素晴らしい」と評価した。

 安田は試合前から気持ちが高ぶっていた。松井氏は憧れの選手。同氏の著書「不動心」は自宅のトイレに置いて何度も読んでおり、同氏が高校時代に汗を流したグラウンドに立つことは1つの夢でもあった。

 「一度来てみたいと思っていたし、試合をさせてもらって貴重な体験になった」。憧れの人が立った左打席に立ち、同じ三塁も守った。さらに松井氏と同じく山下総監督の自宅に本塁打を直撃させたことに、運命的なものを感じ取った。

 この試合で高校生活最後の遠征が終了。20日には大阪大会の組み合わせ抽選会が行われる。最後の夏は、今春の悔しさをぶつける意気込みだ。センバツは準優勝。16日に発表されたU-18W杯の高校日本代表第1次候補30人からも外れた。「悔しさをバネに夏も頑張りたい」。松井氏に少しでも近づくためにも、3季連続甲子園出場は逃せない。

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